エズラ(英語表記)Ezra

翻訳|Ezra

精選版 日本国語大辞典 「エズラ」の意味・読み・例文・類語

エズラ

  1. ( Ezra ) 紀元前五世紀のユダヤ律法学者。捕囚地バビロンに生まれ、ペルシア王クセルクセス二世のときに、故国エルサレムに帰る。律法ユダヤ教の基礎確立し、いっさいの異教主義を排した。生没年未詳。

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改訂新版 世界大百科事典 「エズラ」の意味・わかりやすい解説

エズラ
Ezra

旧約聖書の《エズラ記》《ネヘミヤ記》の中の〈回想録〉(《エズラ記》7~10章)の著者。エズラは書記であり,祭司であると呼ばれており,また神の律法を手にしてバビロニアから来たと言われている。エズラの系図は《エズラ記》7章1~5節に出ている。クセルクセス1世の第7年,前458年にバビロニアの捕囚民をエルサレムに導いた(もしクセルクセス2世のときならば前398年になる)。アラム語による王の命令では(7:11~26)エズラに大きな権力が与えられている。エズラとともに帰還した捕囚民と,彼らが持ち帰った神殿の器具のリストが8章に出ている。エルサレムではユダの人たちに異教の婦人との結婚が容認されていることに衝撃を受ける(9章)。会衆は悔い改め,結婚の解消を命ぜられ,雑婚の調査がなされた(10章)。さらに律法の書が朗読され(《ネヘミヤ記》7:73~8:12),人々は仮庵の祭を祝い,悔い改めの日を守り,エズラは罪の告白を行う(同8:13~9:37)。指導者たちはエズラの朗読した律法を批准し,契約に印を押す(同9:38~10:39)。それに従って,彼らは雑婚に反対し,安息日と7年目の休みを遵守し,神殿税を払い,たきぎ・犠牲・捧げ物を神殿に捧げることを誓った。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エズラ」の意味・わかりやすい解説

エズラ
Ezra

前5~4世紀のユダヤ教律法学者。ペルシア王アルタクセルクセス1世 (または2世) のとき,捕囚地バビロニアからエルサレムに帰って神殿 (いわゆる第2神殿) を再建するとともに,律法を民衆に説きその教化にあたり,律法的ユダヤ教の基礎を確立。その活動は『ネヘミヤ記』『エズラ記』に記されている。

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世界大百科事典(旧版)内のエズラの言及

【エズラ記】より

…バビロン捕囚からユダヤ人たちが帰還した時期とそれに続く1世紀間の時期を扱い,捕囚後のユダヤ教の成立を知る重要な資料。1~6章には,ペルシア王キュロスの勅令による捕囚民の帰還,祭壇の建立,神殿建設とそれに対する妨害,過越の祭,7~10章には,エズラのエルサレム到着と,懺悔の祈り,彼の行った改革,異民族との雑婚の解消を記している。【西村 俊昭】。…

【タルムード】より

… 一方,ミシュナMishnah(原意は〈繰返し〉,転じて〈学習〉)は,前2世紀ごろから約400年間,律法学者によって学習,展開されてきた口伝律法の集成である。その起源は,前5世紀中葉に,バビロニアからエルサレムに〈モーセの律法〉をたずさえて来て,公衆の面前で朗読,解説したエズラにさかのぼる(《ネヘミヤ記》8章参照)。この〈モーセの律法〉は,のちに単に律法(トーラー)と呼ばれる旧約聖書巻頭の5冊の書物(《創世記》《出エジプト記》《レビ記》《民数記》《申命記》)の一部であったと思われる。…

【ユダヤ教】より

…以後,後70年にローマ人が第2神殿を破壊するまで,ユダヤ人は,エルサレム神殿を中心とする民族的・宗教的共同体として自己形成をした。しかし,この共同体の独自の生き方を決定したのは,前5世紀中葉に,バビロニアから〈モーセの律法〉の巻物を携えて来たエズラであった。彼は律法を公衆の面前で朗読すると同時に解説した。…

※「エズラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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