エマ(読み)えま(英語表記)Emma

翻訳|Emma

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エマ」の意味・わかりやすい解説

エマ
えま
Emma

イギリスの女流小説家ジェーン・オースティン長編小説。1815年刊。エマ・ウッドハウスは田舎(いなか)町の良家の娘としてすべてに欠けるところのない女性だが、多少自己中心的で思い上がったところがある。そうした性格のため彼女が失敗を重ねてゆく過程が、牧師エルトンや近在紳士の息子フランク・チャーチル、さらに彼女の被保護者となったハリエット・スミスらとの人間関係を通して巧みに示される。終始誠意のある忠告者としてふるまっていたナイトリーがエマと結ばれることになる。その間エマの自己発見の経緯が彼女の視点を通して描かれ、エマの失敗にも読者は共感を抱くことができる。

榎本 太]

『阿部知二訳『世界の文学6 エマ』(1965・中央公論社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エマ」の意味・わかりやすい解説

エマ
Emma

[生]?
[没]1052.3.6. ウィンチェスター
イギリス,アングロ・サクソン時代のイングランド王アゼルレッド2世の妃。ノルマンディー公リシャール剛勇公の娘。 1002年結婚,エドワード (懺悔王) を産む。 16年夫が死ぬと翌年デーン王でイングランド王となったカヌート再婚。カヌートの死後王位継承の争いに敗れ,一時大陸に亡命したが,41年カヌートとの子ハルザクヌートが王位につくと帰国。次のエドワード (懺悔王) の治世にかけて勢力をふるった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報