エーデン(読み)えーでん(英語表記)Frederik Willem van Eeden

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エーデン」の意味・わかりやすい解説

エーデン
Eeden, Frederik Willem van

[生]1860.4.3. ハールレム
[没]1932.6.16. ビュスム
オランダ詩人,小説家,随筆家劇作家,医師。学生時代から詩や喜劇を書きはじめ,のちに文芸誌『新案内』 De Nieuwe Gidsの創刊 (1885) に参加。初期の詩にはロマン主義的な傾向がみられたが,やがて象徴主義的作風に変る。散文では,オランダ文学の代表作といわれる象徴主義的な小説『小さなヨハンネス』 De kleine Johannes (85) をはじめ特色ある作品が多い。また戯曲にも好評を博した『兄弟』 De broeders (94) などがある。一時はトルストイ思想に共鳴して「共同農場」の経営を始めたが,結局失敗,晩年カトリックに改宗

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エーデン」の意味・わかりやすい解説

エーデン
えーでん
Frederik Willem van Eeden
(1860―1932)

オランダの詩人、小説家。ハールレム生まれ。アムステルダムパリで医学を修め、開業医となる。1880年代グループの文芸誌『新しき道標』創刊に参加、おとぎ話風に描いた散文『幼きヨハネス――第一部』(1885)を発表する(二部1905、三部1906発表、一変して社会問題に言及)。自然主義的心理小説『死の冷たき湖』(1900)は、運命論的な結末に終わる問題作。そのほか戯曲に『兄弟』(1894)などがある。1898年、アメリカの思想家ソローの『ウォールデン――森の生活』から命名した「生産協同村ワルデン」をつくり、人道的共産主義村の建設に努めたが、財政難で挫折(ざせつ)した。

[近藤紀子]

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