日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオミミギツネ」の意味・わかりやすい解説
オオミミギツネ
おおみみぎつね / 大耳狐
big-eared (bat-eared) fox
[学] Otocyon megalotis
哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。アフリカ東部および南部の乾燥地帯に分布する。体長50~70センチメートル、体重3~5キログラム。長さ11~14センチメートルもある巨大な耳が名の由来である。体は灰褐色で、顔、耳、四肢、尾端が黒褐色。歯は46~50本で食肉類中もっとも多く、特別の亜科に分類されていたが、近年ではイヌ亜科の原始的な種で、タヌキなどに近縁といわれる。昼は自分で掘った穴、岩穴、草やぶなどに1対で潜み、夜出歩き、人家付近にも現れる。主食はシロアリ、バッタなどで、ネズミ、小鳥とその卵、トカゲ、液果も食べる。家禽(かきん)はめったに襲わない。交尾期は11~4月、60~70日後に2~6子を産む。寿命は飼育下で約13年。原住民はその肉を食べ、毛皮を頭飾りに使う。
[今泉吉典]