オガタマノキ(読み)おがたまのき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オガタマノキ」の意味・わかりやすい解説

オガタマノキ
おがたまのき
[学] Magnolia compressa Maxim.
Michelia compressa (Maxim.) Sarg.

モクレン科(APG分類:モクレン科)の常緑高木。高さ20メートルにもなる。和名は「招霊(おきたま)の木」が転じたともいわれ、古くから神社によく植えられる。葉は厚い革質で、長楕円(ちょうだえん)状倒卵形、長さ5~15センチメートル。花は早春に開き、花弁は白色で基部は紅紫色である。花が葉腋(ようえき)につくこと、1心皮からなる雌しべが開花期、果実期ともに基部まで離生することがモクレン属と異なる(APG分類ではモクレン属とされる)。種子は赤く、2~6個。種としては、房総半島以西の本州南西部、四国、九州、沖縄、台湾、フィリピンに分布している。トウオガタマ(カラタネオガタマM. figo (Lour.) Sprengelは中国原産で、日本でも庭木生け垣としてよく植えられる。花は初夏に咲き、バナナに似た強い香りを放つ。

[植田邦彦 2018年8月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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