オオヤマレンゲ(読み)おおやまれんげ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオヤマレンゲ」の意味・わかりやすい解説

オオヤマレンゲ
おおやまれんげ / 大山蓮花
[学] Magnolia sieboldii K.Koch subsp. japonica K.Ueda

モクレン科(APG分類:モクレン科)の落葉低木。葉は広倒卵形、先端は急に突き出し、長さ7~12センチメートル、下面は白色を帯びる。花は長い花柄をもち、横向きないしはうつむき加減に壺(つぼ)状に開き、白い花弁に淡紅色の雄しべが映えて美しい。花期は5~7月。和名は、大和(やまと)(奈良県)の大峰山にある蓮花の意味。本州中部から九州の屋久(やく)島までと中国南部の深山にややまれに分布する。基本種は日本や欧米で一般に栽培されているオオバオオヤマレンゲM. s. subsp. sieboldiiで、朝鮮、中国東北部に分布する。全体が大形で雄しべが深紅色であることなどでオオヤマレンゲと区別できる。ウケザキオオヤマレンゲM. × wieseneri E.-A.Carrièreは雑種起源と推定されているもので、栽培されることもある。3種とも美しい花をめでて茶花とされる。

[植田邦彦 2018年8月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オオヤマレンゲ」の意味・わかりやすい解説

オオヤマレンゲ(大山蓮花)
オオヤマレンゲ
Magnolia sieboldii ssp.japonica

モクレン科の落葉低木。別名ミヤマレンゲ。本州,四国,九州の山地に生え,観賞用に庭に植えられる。幹は直立し高さ約 4mに達し,まばらに分枝する。葉は互生し長さ 13cm内外,表面は平滑であるが,裏面乳白色で白毛を密生する。托葉上部の新葉を包み,膜質で早く落ちる。5月頃,枝先に径5~7cmの白花を1個横向きにつけ,芳香を放つ。多数のおしべは花托柱の基部につき, (やく) は鮮紅色めしべも多数で花托柱上部につく。渋い色合いとつぼみの姿がよく,茶花として珍重される。

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