日本大百科全書(ニッポニカ) 「オクジャワ」の意味・わかりやすい解説
オクジャワ
おくじゃわ
Булат Шалвович Окуджава/Bulat Shalvovich Okudzhava
(1924―1997)
ロシアの詩人。モスクワ生まれ。第二次世界大戦に学徒兵として参加、負傷して復員後、トビリシ大学に学び、教員生活を経て、1956年に詩集『叙情詩』で文壇に登場。詩、小説その他多彩なジャンルにわたり活躍を続けた。戦争のテーマや、日常生活の哀感と詩情をリリカルに歌った叙情詩に優れ、またギターを弾きながら自作詩を朗読する現代詩人の草分け的存在でもあった。代表的詩集に『島』(1959)、『陽気な鼓手』(1964)、『心ひろき三月』(1967)などがある。また戦争体験をつづった小説『少年兵よ、達者で』(1961)以後、歴史小説に意欲的に取り組み、『哀れなアブラシーモフ』(1969)、『ディレッタントの旅』(1979)などの作品を発表。1994年には、ソ連邦崩壊後ロシアでもっとも権威のある文学賞である「ロシア・ブッカー賞」の第3回受賞者となった(『閉鎖された劇場』)。1989年(平成1)初来日、レコード『ブラート・オクジャワ/青い風船』が発売された。
[安井侑子]