オットレ石(読み)おっとれせき(英語表記)ottrelite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オットレ石」の意味・わかりやすい解説

オットレ石
おっとれせき
ottrelite

クロリトイド硬緑泥石)と同型鉱物。2価の金属イオンうちマンガンがもっとも卓越するものをこの名でよぶ。クロリトイドに比べると産出はきわめてまれである。かつて日本の変成岩からの産出が報告されたことがあるが、化学分析値からはクロリトイドに同定される。原産地ベルギー、オットレOttrezでは、粘板岩を切る石英脈の縁(ふち)に葉片状結晶として産する。名称は原産地にちなむ。

松原 聰]


オットレ石(データノート)
おっとれせきでーたのーと

オットレ石
 英名    ottrelite
 化学式   (Mn,Fe2+,Mg)2Al4Si2O10(OH)4
 少量成分  Fe3+,Ca
 結晶系   単斜,三斜
 硬度    6~7
 比重    3.6
 色     灰緑
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オットレ石」の意味・わかりやすい解説

オットレ石
オットレせき
ottrelite

オットレライトともいう。マンガンに富む硬緑泥石類似の鉱物でクロリトイド族 (Fe,Mn,Mg)Al2SiO5(OH)2 の一種。緑灰色ないし黒色の六角板状結晶で千枚岩中に産する。比重 3.3,硬度6~7。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android