オハラ(読み)おはら(英語表記)John Henry O'Hara

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オハラ」の意味・わかりやすい解説

オハラ
O'Hara, John

[生]1905.1.31. ペンシルバニア,ポッツビル
[没]1970.4.11. ニュージャージー,プリンストン
アメリカの小説家。ジャーナリズムに関係したのち,ペンシルバニアのカントリー・クラブを背景に,ある金持の男の生活を描いた処女作サマーラの町で会おう』 Appointment in Samarra (1934) で好評を博し,以後ニューヨークの殺人事件を扱った『バターフィールド8』 Butterfield 8 (35) ,ペンシルバニアの有力者の生活を描いた『北フレデリック街 10番地』 Ten North Frederick (55,全米図書賞) など,風俗小説的作品を多数書いた。短編名手としても知られ,評論もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オハラ」の意味・わかりやすい解説

オハラ
おはら
John Henry O'Hara
(1905―1970)

アメリカの小説家。出身地のペンシルベニア州ニューヨーク州で新聞、雑誌の仕事にたずさわったのち、短編小説を書き始め、放埒(ほうらつ)なカントリー・クラブの常連生態を辛辣(しんらつ)な筆で描いた長編小説『サマーラの町で会おう』(1934)で認められた。以後の作品は、カントリー・クラブやバーの常連、俳優などの生きざまハードボイルドの手法で写実的に描く風俗小説がほとんどで、都会のある殺人事件をもとにした『バターフィールド・8(エイト)』(1935)、シナリオライターと書店員の悲恋物語『天国の希望』(1938)、愛する夫を裏切る女性を描く『生きんとする激情』(1949)ほか、短編集、戯曲集、エッセイ集がある。

[齊藤忠利]

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