オルガナイザー(英語表記)organizer

翻訳|organizer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルガナイザー」の意味・わかりやすい解説

オルガナイザー
organizer

形成体または編成原ともいう。動物の胚発生において,隣接する胚域に働きかけ,特定の構造を誘導する働きをもつ胚域をいう。 H.シュペーマンおよび H.マンゴルトは,イモリ初期嚢胚の原口背唇部を他の異なった胚域に移植すると,それ自身脊索や体節に分化すると同時に接する宿主組織から神経系を分化し,両者が合して二次胚を形成することから,原口背唇部をオルガナイザー命名。これに接する組織に分化の方向を決定する働きを誘導と呼んだ。脊椎動物器官の分化は,原口背唇部に始る一連の誘導連鎖による。初めに誘導された神経板の一部から生じる眼胞は,表皮をレンズに,レンズはさらに角膜を誘導する。原因となる誘導物質の追究も数多くなされてきたが,単一の原因物質は得られていない。

オルガナイザー
organizer

組織活動の指導や未組織層の動員資金調達などのために外部 (多くは上部機関) から派遣される工作者。労働組合の発生とともにできた言葉であるが,その後革命組織にも用いられ,現在では広範な種類の社会運動に関して使われている。大衆化,個人の原子化の進行するなか既存の組織が勢力を拡充しようとするとき,上部組織と下部組織を含めて組織相互が連絡調整をはかろうとするとき,オルガナイザーの果す役割は大きい。

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