(1)フリー・スクールfree school 子供の受ける教育内容についての発言権を保持したいとする親によって設置される私的な学校。管理の仕組みとしてのテストはせず、教育課程(カリキュラム)もつくらず、規律保持の手段としての賞罰も用いない。
(2)フリーダム・スクールfreedom school 1950年代、アメリカの公立学校における黒人の隔離や教科書その他の教材の提供に伴う人種差別に対抗して設置された中等学校。しかし、54年にアメリカの連邦最高裁判所は公立学校における白人・黒人の分離教育を違憲とする判決を下した。この「ブラウン判決」を受け、60年代には人種統合学校化の流れのなかでしだいに消滅していった。
(3)オルタナティブ・スクールalternative school 標準的な学校で提供される教育に適合できない生徒へのプログラムで授業を行う学校。このなかには、身体的、精神的、情緒的にハンディキャップをもつ生徒に適合した学校や、芸術的・知的英才児の教育を行う学校などがある。
(4)オルタナティブ・パブリック・スクールalternative public school 公立学校体制のなかで、自由入学制度や独自のカリキュラムの実施を認められた学校。アメリカにおけるマグネット・スクールmagnet school、チャーター・スクールcharter schoolなどをさす。マグネット・スクールは、成績優秀な者に対して、学力指導を優先した公立初等・中等学校であり、施設も教育内容も優れ、資格のある生徒しか入学させない選抜制度をしいている学校である。チャーター・スクールは、公立学校でありながら、州政府や地方行政機関から独立し、教師や親などにより特別に認可された団体が運営する学校である。通常この種の学校は、公立学校制度のなかでも親や地域社会の要求に応えるように運営されている。