お三輪(読み)おみわ

精選版 日本国語大辞典 「お三輪」の意味・読み・例文・類語

おみわ【お三輪】

  1. 歌舞伎所作事。常磐津。宝田寿助作詞。岸沢市蔵作曲。本名題願糸縁苧環(ねがいのいとえにしのおだまき)」。天保四年(一八三三江戸河原崎座初演。人形浄瑠璃妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」の四段目道行恋苧環(みちゆきこいのおだまき)」を常磐津にしたもの。富本にも同材のものがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「お三輪」の意味・わかりやすい解説

お三輪 (おみわ)

歌舞伎舞踊義太夫,富本,常磐津。人形浄瑠璃妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)》の四段目《道行恋のをだまき》から歌舞伎に移されたもの。富本《道行恋苧環》は1815年(文化12)9月江戸中村座初演。作曲鳥羽屋里長。常磐津《願糸縁苧環(ねがいのいとえにしのおだまき)》は33年(天保4)7月江戸河原崎座初演。作詞宝田寿助。作曲岸沢市造。烏帽子折求女(もとめ)実は藤原淡海をめぐる入鹿の妹橘姫,杉酒屋の娘お三輪の恋争いが見どころ。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「お三輪」の意味・わかりやすい解説

お三輪
おみわ

歌舞伎舞踊曲。常磐津。本名題『願糸縁苧環 (ねがいのいとえにしのおだまき) 』。天保4 (1833) 年江戸河原崎座初演。近松半二作の義太夫『妹背山婦女庭訓 (いもせやまおんなていきん) 』4段目の「道行恋苧環」 (「妹背山道行」) を常磐津に改作したもの。宝田寿助補綴,岸沢市造作曲。烏帽子折求女 (実は藤原淡海) と,そのかたき蘇我入鹿の妹橘姫,杉酒屋の娘お三輪の三角関係を,相手の裾に糸で結ぶ苧環を小道具に巧みに浄瑠璃化したもので,橘姫とお三輪という,身分の異なる女の恋を対照的に描く。近年では原作の義太夫節による上演も多い。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「お三輪」の解説

お三輪 おみわ

浄瑠璃(じょうるり)「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」の登場人物
大和(奈良県)の酒商杉屋の娘。藤原鎌足(かまたり)の嫡男で出家した淡海に恋をする。藤原一族が蘇我入鹿(そがの-いるか)を討つためには,自分の死が役立つとおもい命をたつ。明和8年(1771)大坂竹本座で初演され,のち歌舞伎にもうつされた。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「お三輪」の解説

お三輪
(通称)
おみわ

歌舞伎・浄瑠璃の外題
元の外題
願糸縁苧環
初演
天保4.7(江戸・河原崎座)

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