カイニット(その他表記)cainito
Chrysophyllum cainito L.

改訂新版 世界大百科事典 「カイニット」の意味・わかりやすい解説

カイニット
cainito
Chrysophyllum cainito L.

果樹として栽培されるアカテツ科の高木で,乳液を出す。和名英名のカイニットは西インド諸島の現地名に由来する。高さ12~15mとなり,革質の葉は互生し,長楕円形,長さ7~20cm,幅3~10cm,両端はとがり,ふちに鋸歯はなく,裏面には赤褐色の絹毛を密生する。葉柄は長さ1~2cm。花は葉腋(ようえき)に束生し,花梗は長さ約1cm。花冠は帯緑色で長さ約4mm,5中裂し,背面に褐毛がある。子房は褐毛を有し8~12室。果実はリンゴ大で径5~8cmの液果,球形から卵形で,表面は平滑である。リンゴのように果皮はうすく,紫色,緑色または赤色。成熟すると種子周囲にある白色半透明の寒天状の部分が甘味を増し,果肉は甘渋くて生食でき,また貯蔵して成熟させることもある。果実の横断面には寒天様部分が放射状にみえるのでstar appleの英名もある。西インド諸島,中央アメリカの原産。材は硬く,家具などの製造に用いる

 この属は熱帯アメリカを中心アフリカ東南アジアに数十種あり,アフリカのC.africanumのように果樹として栽培されているものをはじめ,果実を食用にするものがいくつかあるし,材も利用されている。
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百科事典マイペディア 「カイニット」の意味・わかりやすい解説

カイニット

中米原産のアカテツ科の果樹。常緑高木で高さ12〜15m。花は帯緑色で小さく,後にリンゴ大の果実を結ぶ。種子の周囲は寒天状で甘く,果肉は渋みがあるが甘い。果実を生食し,材は家具などにされる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カイニット」の意味・わかりやすい解説

カイニット
かいにっと

スターアップル

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