カカドゥ国立公園(読み)カカドゥこくりつこうえん(英語表記)Kakadu National Park

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カカドゥ国立公園」の意味・わかりやすい解説

カカドゥ国立公園
カカドゥこくりつこうえん
Kakadu National Park

オーストラリア北部,ノーザンテリトリーの北部,ダーウィン東方約 220kmに位置する国立公園。面積1万 9804km2。 1979年指定。公園内を流れる4本の川が豊かな自然をはぐくみ,クロワラルー (小型のカンガルー) やイリエワニをはじめとする野生生物,あるいは絶滅の危機にある動物,多様な植物の生息地となっている。公園内はマングローブの繁茂する河口地帯から湿原地帯,熱帯雨林地帯,さらにサバンナ草原からなる丘陵地帯や,断崖状のエスカープメントと呼ばれる地帯,一年中乾燥したアーネムランドなど景観が大きく異なる地帯からなっていて,動植物の種類をさらに豊富にしている。一方,内陸部の岩場には,公園名の由来となった先住民族カグドゥ族 (アボリジニ祖先) が生活の様子や神話の世界などを描いた岩面画が数千ヵ所残されていて,歴史的にも貴重である。 1981年世界遺産の文化および自然の複合遺産に登録。 1987年,1992年の2度にわたり範囲が拡張された。

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