アーネムランド(読み)あーねむらんど(英語表記)Arnhem Land

デジタル大辞泉 「アーネムランド」の意味・読み・例文・類語

アーネム‐ランド(Arnhem Land)

オーストラリア、ノーザンテリトリー北部の地域名。チモール海カーペンタリア湾の間にある半島の東半分をさす。アボリジニーの専用居住区とほぼ一致し、資源開発の際にはアボリジニーの合意が必要となる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「アーネムランド」の意味・わかりやすい解説

アーネム・ランド
Arnhem Land

オーストラリア,ノーザン・テリトリー北部,ティモール海とカーペンタリア湾との間の半島部の東半部を指す地方名。面積約9万4000km2,人口10万(1985)。そのほとんどがアーネム・ランド先住民専用地区になっている。北東端にゴーブのボーキサイト採掘地区(人口3553)がある。先住民専用地区での鉱産資源開発には原則として先住民の同意が必要とされる。地方名は1623年来航したオランダ船名に由来する。
執筆者:

アーネム・ランドにはアボリジニーが描いた岩壁画や樹皮画が多く見られ,樹皮画は現在も描き続けられている。主題は神話にまつわるものが多く,何千年間も崇拝されてきた超越的な精霊形象化したものである。様式的には人物や動物などを自然主義的に描いたものが多く,その点,抽象的な図形を主とするオーストラリア南部のものと対照的である。顔料は赤や黄のオーカーが主で,白は石灰石や焼いた貝殻から,黒は木炭やマンガン鉱から得られる。岩壁画は,自然のままの岩盤に描かれ,岩面が整えられることはない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アーネムランド」の意味・わかりやすい解説

アーネムランド
Arnhem Land

オーストラリア,ノーザンテリトリー北部の地方名。アラフラ海にのぞむ北端 (コーバーグ半島) から南へ約 300km,東のカーペンタリア湾と西のバンディーメン湾にはさまれた地域。面積8万 1000km2。熱帯サバナ気候で乾季雨季区別がある。地形は高原状でゆるやかな起伏に富み,海岸は屈曲が多い。地域の大半はアボリジニ保護地区 (1931指定) で,アボリジニの人口は約 4000。北東端のゴーブにボーキサイト鉱山,西端のイーストアリゲーター川付近にウラン鉱床がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アーネムランド」の意味・わかりやすい解説

アーネム・ランド
あーねむらんど
Arnhem Land

オーストラリア、ノーザン・テリトリー北部、チモール海とカーペンタリア湾との間にある半島部の東半部をさす地方名。面積約9万4000平方キロメートル。同国最大の「アーネム・ランド先住民専用地区」とほぼ同じ範囲にあたる。北東端のゴーブにボーキサイト鉱山がある。これら鉱産資源の開発には先住民の同意が必要。地方名は、1623年に来航したオランダ船名に由来する。

[谷内 達]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

春闘

春の時期に労働組合が一斉に賃上げ、労働条件の改善に関する交渉を行なうこと。欧米では、産業別に強力な労働組合が存在し、それらが労働条件改善への闘争を繰り広げて成果を得てきた。だが、日本では企業ごとに労働...

春闘の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android