ノーザンテリトリー(読み)のーざんてりとりー(英語表記)Northern Territory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノーザンテリトリー」の意味・わかりやすい解説

ノーザンテリトリー
Northern Territory

オーストラリア北部にある准州地形は単調だが気候は北の高温多雨地帯から南の乾燥地帯へと順次移り変る。白人による入植の試みは 1824年に始るが,何回かの失敗ののち,63年からサウスオーストラリア植民地の管轄下に入り,68年にパーマストン (現ダーウィン) への入植が成功。 1911年に連邦政府直轄地区となったが,77年以降,連邦政府の権限が順次委譲され,州に準じた行政体制に移行した。自然的経済的条件に恵まれず,現在も人口はわずかに全国の1% (1992) にすぎず,同国で最も未開発な地域となっている。行政中心地はダーウィン。産業構造は著しく鉱業に特化し,ゴーブボーキサイトをはじめ,マンガン,銅,鉄鉱石を産出し,ウラン埋蔵が注目されている。このほかのおもな経済活動はバークリー台地などの大規模,粗放な牧牛と,ダーウィン,カサリン,アリススプリングズなどの都市における政府雇用である。アボリジニ人口が多く,人口の 21% (92) を占め,アボリジニ保護地区が多い。面積 134万 6200km2。人口 16万 8600 (1992推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノーザンテリトリー」の意味・わかりやすい解説

ノーザン・テリトリー
のーざんてりとりー
Northern Territory

オーストラリア北部の連邦政府直轄地区。北部特別地区と表記されることもある。面積134万6200平方キロメートル、人口21万0664(2001)。人口の約4分の1が先住民。行政中心地はダーウィン。地形は全般的に平坦(へいたん)であるが、北部の低地から中部の台地へとしだいに高度を増し、南部にはマクドネル山脈などの山地が現れる。気候も北から南へ熱帯サバナ気候、ステップ気候、砂漠気候に変わる。主産業は牧畜と鉱業。牧畜の中心は肉牛で、とくに第二次世界大戦後の道路整備と加工施設の建設により進展した。おもな鉱産物はボーキサイト(主産地ゴーブ)、マンガン(グルート・アイランド島)、銅(テナント・クリーク)など。レンジャーなどダーウィン東方のアリゲーター川地区にウラン鉱床(埋蔵量30万トン)がある。1825年ニュー・サウス・ウェールズに所属し、1863年サウス・オーストラリアに所属。1911年から連邦政府直轄地区。1978年から立法・行政権限の地元移管を含む改革により準州的地位を得ている。

[谷内 達]

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