カサブランカ・グループ(その他表記)Casablanca Group

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カサブランカ・グループ」の意味・わかりやすい解説

カサブランカ・グループ
Casablanca Group

1961年1月のカサブランカ会議結成されたアフリカ急進派諸国のグループ。 60年 11月フランス領モーリタニアが独立したが,モロッコはモーリタニアをその歴史的領土の一部であるとして異議を唱え,ガーナ,ギニア,マリ,アラブ連合共和国 (エジプト) ,リビア,アルジェリア臨時政府,それにアジアからはセイロン (現スリランカ) の代表を招請し,カサブランカで会議を開いた。同会議では,モーリタニアに対するモロッコの領土的主張が認められたほか,アルジェリア人民に対する支援,コンゴ問題に関してはスタンレービル政権支持,帝国主義,新植民地主義の基地としてのイスラエル非難,その他の諸決議が採択された。しかしそれにもまして重要なのは,この会議で,ガーナ,ギニア,マリなど急進派諸国の路線に立ってアフリカの統一を推進しようとするアフリカ憲章が採択されたことである。同憲章の採択によって,カサブランカ・グループは,新たに設立されるアフリカ政治委員会,アフリカ経済委員会,アフリカ文化委員会,統合アフリカ最高司令部の4機関を中心に,アフリカの統一を推進していくこととなった (リビアは 1961年5月の外相会議で同憲章議定書に調印せず,同グループから脱落) 。同グループの結成は,60年 12月のブラザビル会議で成立した旧フランス領穏健派 12ヵ国から成るブラザビル・グループに対抗する形で行われた。しかしカサブランカ・グループは結局少数派にとどまり,63年5月のアフリカ統一機構 OAU成立を機に,他の政治同盟的グループとともに解消した。

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