六訂版 家庭医学大全科 「かぜの合併症」の解説
かぜの合併症
(呼吸器の病気)
かぜは万病の元といわれます。これは、初発症状がかぜの症状であっても、その背後に肺がんなどの重大な病気が隠れていたり、本当のかぜであってもかぜだけで終わらずに他の重大な病気を合併して重症になったりすることをいっています。広い意味でのかぜの合併症には前者(実際は重大な病気が隠れている場合)も含まれますが、狭い意味の本当のかぜの合併症は後者(かぜから他の重大な病気に進む場合)を指しています。
かぜの合併症で多いのは、かぜの炎症が声帯から下へ波及して起こる気管支炎ですが、気管支炎だけではあまり重くはなりません。炎症がさらに肺に及ぶと肺炎になりますが、慢性の肺や心臓の病気をもっている人や高齢者、糖尿病や腎臓病の患者さん、妊婦や乳幼児などでは、肺炎がより重症になって生命に危険が及ぶ場合があります。
かぜのなかでもインフルエンザやRSウイルス感染症は重症になる確率が高く、さらに心不全(血液を全身に送り出す心臓の力が弱くなって心臓と肺に血液がたまり、呼吸困難や全身のむくみが現れる)を合併すると生命に危険が及ぶので、注意が必要です。その典型は2003年に中国から世界中に広がったSARS(
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出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報