日本大百科全書(ニッポニカ) 「カプリービ」の意味・わかりやすい解説
カプリービ
かぷりーび
Leo von Caprivi
(1831―1899)
ドイツの軍人、政治家。プロイセン・フランス戦争で戦功をたて、1881年陸軍中将に昇進、以後陸海軍の行政で頭角を現す。1890年ビスマルク失脚後、ウィルヘルム2世によって帝国宰相に任命された。彼の在任期間(1894年まで)はドイツの政治史上「新航路」の時代という。ビスマルク時代末期の保守路線を修正、内政では社会主義者に対する弾圧立法が廃止され、社会政策の拡充、穀物保護関税の引下げによる工業製品輸出の促進など、時代の変化に応じた穏健な政策が行われた。外交の面ではロシアとの二重保障条約を更新せず、イギリスとの関係改善に努めた。しかし、弾圧立法の復活を望む皇帝と対立したため辞任した。
[木谷 勤]