カプロン酸(読み)かぷろんさん(英語表記)caproic acid

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カプロン酸」の意味・わかりやすい解説

カプロン酸
かぷろんさん
caproic acid

炭素6原子からなる直鎖の飽和カルボン酸で、ヘキサン酸ともよばれる。バターパーム油やし油中にグリセリドとして存在する。カプロン酸発酵により酢酸またはエタノールエチルアルコール)から生成する。不快なにおいをもつ無色油状の液体。水には常温で100グラムに対して1グラムぐらい溶け、エーテル、エタノールなどの有機溶媒によく溶ける。香料などの原料に用いられる。

[廣田 穰]


カプロン酸(データノート)
かぷろんさんでーたのーと

カプロン酸
  CH3(CH2)4COOH
 分子式  C6H12O2
 分子量  116.2
 融点   -3.4℃
 沸点   205.8℃
 比重   0.9278(測定温度20℃)
 屈折率  (n)1.4165
 解離定数 Κ=2.34×10-5

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カプロン酸」の意味・わかりやすい解説

カプロン酸
カプロンさん
caproic acid

化学式 C5H11COOH 。やや不快臭のある無色油状の液体で,沸点 205℃。香料原料として用いられる。水にわずかに溶け,エチルアルコール,エーテルに溶ける。発酵もしくは化学合成によって得られるが,天然にもバターややし油の中にグリセリドとして存在する。

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