カルセオラリア(読み)かるせおらりあ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルセオラリア」の意味・わかりやすい解説

カルセオラリア
かるせおらりあ
[学] Calceolaria

ゴマノハグサ科(APG分類:キンチャクソウ科)の一年草または多年草。和名キンチャクソウ。この属の植物は南アメリカおよびニュージーランドに約200種以上自生するが、現在栽培されるのはC. crenatifloraC. corymbosaなど数種の原種から交雑育成されたもので、半耐寒性一年草として扱う。このほかに、ヨーロッパの花壇などで利用される多年生のC. integrifoliaなどがある。開花期に花茎を多数分枝し、高さ30~40センチメートルになる。葉は対生し卵形。花は上唇が小さく、下唇が大きくスリッパ状になる。花色は赤、橙(だいだい)、黄の単色か、不規則な斑点(はんてん)が入るものがある。開花期は温室やハウス栽培で3、4月である。系統別に大輪のヒブリダ・グランディフローラ系、中輪多花性のヒブリダ・マルチフローラ系、小輪多花性のルゴサ・ヒブリダ系に大別され、一般にはマルチフローラ系品種が多く栽培される。8月ごろ播種(はしゅ)し、温室やハウスで栽培し、早春鉢植え、4月ごろの花壇植えなどにする。

[鶴島久男 2021年7月16日]

 APG分類では、Calceolariaほか2属がゴマノハグサ科から独立してキンチャクソウ科となった。

[編集部 2021年7月16日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルセオラリア」の意味・わかりやすい解説

カルセオラリア
Calceolaria crenatiflora; calceolaria

ゴマノハグサ科の一年草。南アメリカ原産で,鉢植として観賞する。花は黄色の唇形花で,下唇が大きく巾着状の袋になるのが特徴。キンチャクソウ (巾着草) の和名もある。赤花のものや,唇弁に斑点のあるものなど園芸品種が多い。

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