カロンヌ(読み)かろんぬ(英語表記)Charles-Alexandre de Calonne

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カロンヌ」の意味・わかりやすい解説

カロンヌ
かろんぬ
Charles-Alexandre de Calonne
(1734―1802)

フランス革命直前の財務総監ドゥエに生まれ、パリの大学に学んだのち、アルトアの高等法院、メス、リールの知事を経て、1783年にネッケルの後を受けて財務総監に就任した。財政赤字解消のための増税は不可能として、ネッケルに倣い放漫な公債政策をとったが、たちまち窮地に陥り、政策を急転回させた。1786年、特権2身分への課税を目的とする臨時地租新設、塩税の全国的賦課、国内関税の廃止、穀物取引の自由、賦役の廃止など18か条の財政改革計画をたて、名士会の承認を得ようとしたが、その否決にあい孤立、1787年4月辞職を余儀なくされブリエンヌに席を譲った。

 1789年、革命の勃発(ぼっぱつ)とともにいち早く亡命し、1791年から反革命活動に参加した。しかし、たいした効果もなく、ナポレオンの権力掌握後に許可を得て帰国、その後もなすところなくまもなく死去した。革命勃発直後のフランスの状況についての著書がある。

[樋口謹一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カロンヌ」の意味・わかりやすい解説

カロンヌ
Calonne, Charles-Alexandre de

[生]1734.1.20. ノール,ドゥエ
[没]1802.10.29/30. パリ
フランスの政治家,財政家。メッス,リールのアンタンダンを歴任後,1783年 11月財務総監に就任。国庫の赤字解消のため,J.ネッケルにならって放漫な公債政策をとったが,かえって身動きできなくなり,政策を変更して性急な改革のプログラムを立案 (すべての階層からの地租の徴税,政府の短期負債償還の長期化,穀物流通に対する政府統制の撤廃,国王賦役の金納化など) ,87年2月名士会の承認を得ようとしたが反対され,同年4月財務総監を罷免された。フランス革命の勃発とともにイギリスに亡命し,反革命運動の財政的援助を行なった。

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