カンキチク(読み)かんきちく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンキチク」の意味・わかりやすい解説

カンキチク
かんきちく / 寒忌竹
[学] Muehlenbeckia platyclados Meissn.

タデ科(APG分類:タデ科)の低木状草本。ソロモン諸島原産。高さ1メートルに達する。茎はよく分枝し緑色、扁平(へんぺい)で多数の縦縞(たてじま)があり、硬くて節があり、葉のようにみえる。葉は互生し披針(ひしん)形で枝先につくが落ちやすい。花は節部につき小さく、初めは白色でのちに暗紫色となる。果実は紫紅色。栽培には温室内の日当りに置くが、冬は3~5℃を保てばよく、四国、九州の暖地では戸外越冬繁殖挿木で、5~6月ごろに充実した枝先を挿す。

[坂梨一郎 2020年12月11日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンキチク」の意味・わかりやすい解説

カンキチク(寒忌竹)
カンキチク
Homalocladium platycladum(Muehlenbeckia platyclada)

タデ科の多年生低木。南太平洋ソロモン諸島の原産で,日本には明治初期に渡来した。観賞用に栽培されるが,冬季は温室に入れる必要がある。茎が扁平となり葉状化し,多数の節がみられるが,その節に短い枝を生じてきわめて小型の葉をつける。また夏に,葉状化した茎の両側に互生して緑白色の無柄の小花をつける。花に花弁はなく,萼は卵円形の5裂片から成り,おしべは8本で萼よりも短い。めしべ1本がある。果実は痩果であるが,3稜をもち多汁の肉質で,宿存萼紅紫色になり,花時より美しい。

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