がたぴし

精選版 日本国語大辞典「がたぴし」の解説

がた‐ぴし

〙 (「がたひし」「がたびし」とも。「と」を伴う場合もある)
① 造りが悪かったり、古くなったりした木造の家具、建具などの立てる音を表わす語。
※咄本・露五郎兵衛新はなし(1701)百日の日てりより一時の洪水「かみなりはぐゎらぐゎら、川水はどうどう、門の戸はぐゎたひし、なくやらさけぶやら」
※火の柱(1904)〈木下尚江〉二四「歪みたる戸は、ガタピシと開きぬ」
② 混雑したり、ぶつかり合ったりしてやかましく立てる音を表わす語。
※無刊記刊本碧巖鈔(1620‐40頃)七「風箏とは、八坂の塔やなんどにも塔の角に形の鈴の様なる物を掛る也。〈略〉俄に烈風に被吹、がたひしとして以の外が聴かれぬ也」
※小鳥の巣(1910)〈鈴木三重吉〉下「用事がつかへて気が忙くやうにがたぴしと味噌汁の鍋をかけたりして」
③ 人と人との関係、組織の管理、機械の整備などが、うまくいかないで円滑さを欠くさまを表わす語。〔葉隠(1716頃)〕
※くれの廿八日(1898)〈内田魯庵〉三「お前がいつまでも疳癪起してゐると家内(うちぢう)が我他彼此(ガタピシ)して」
※不思議な鏡(1912)〈森鴎外〉一「器械はがたぴしして来て、とうとう油をさしても動かなくなる」
[補注]「がたひし」「がたびし」「がたぴし」いずれも同じで、仏語に基づく「我他彼此」の字をあてたりしている。今日では「がたぴし」という形が一般的である。

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デジタル大辞泉「がたぴし」の解説

がた‐ぴし

[副](スル)《「がたびし」とも》
建物や家具などのつくりが悪く、また、扱いが乱暴なために、きしむさま。また、その音。「ふすまががたぴしする」「雨戸がたぴし(と)開ける」
物と物とがぶつかり合って慌ただしそうな音を立てるさま。また、その音。
「気が忙(せ)くように―と味噌汁の鍋をかけたりして」〈三重吉・小鳥の巣〉
人間関係や組織の機構などが円滑でないさま。「社内ががたぴししている」

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