ガボール(読み)がぼーる(その他表記)Dennis Gabor

デジタル大辞泉 「ガボール」の意味・読み・例文・類語

ガボール(Dennis Gabor)

[1900~1979]英国物理学者ハンガリー生まれ。インペリアルカレッジロンドン教授。ホログラフィーの基本概念を発見し実用化に貢献した。1971年ノーベル物理学賞受賞。著に「成熟社会」。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガボール」の意味・わかりやすい解説

ガボール
がぼーる
Dennis Gabor
(1900―1979)

イギリスの物理学者。ハンガリーのブダペストに生まれる。1927年ベルリン工科大学で工学博士となる。ヒトラー総統となった1934年にイギリスに渡り、多く論文を発表した。1948年ごろよりホログラフィーの基礎的実験を開始した。これは、レンズにより像を得る場合、かならず回折によりぼけができるが、そのぼけた像は、物体明暗分布のみを記録した平面的な像であるぼけない写真より多くの情報をもつはずであるとの考えから、回折によりぼけた像に可干渉性のバックグラウンド、つまり参照光を加えて行われた実験であった。この考えは、レーザー光の進歩により立体的な像をつくることを可能にした。1971年ホログラフィーの研究によりノーベル物理学賞を受賞。

[佐藤 忠]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガボール」の意味・わかりやすい解説

ガボール
Gabor, Dennis

[生]1900.6.5. ブダペスト
[没]1979.2.9. ロンドン
ハンガリー生れのイギリスの電子物理学者。ブダペスト工科大学で学んだのち,さらにベルリンのシャルロッテンブルク工科大学を卒業。 1927年以来ジーメンス・ハルスケ社の技術研究員をしていたが,33年ナチス・ドイツを逃れてイギリスに渡り,トムソン=ヒューストン社の技術研究員を経て,49年からロンドン大学のインペリアル・カレッジのスタッフとなり,エレクトロニクスの研究・教育にたずさわった。 47年に水銀ランプの光を使ってホログラフィーの実験と理論計算を行なった。この発明に対して,71年ノーベル物理学賞が授与された。

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百科事典マイペディア 「ガボール」の意味・わかりやすい解説

ガボール

ハンガリー生れの英国の応用物理学者。ブダペスト工科大学卒。1927年―1933年ジーメンス会社,1933年―1948年英国のトムソン・ヒューストン会社,1949年ロンドン大学に移り,1958年応用電子物理学教授。多くの業績があるが,特に1947年電子顕微鏡の解像力を高める研究からホログラフィー原理を考案した。1971年ノーベル物理学賞。

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