翻訳|Gantt chart
作業の進行を管理するための図表の一つ。たとえば工場において,何種類かの素材を何台かの機械でそれぞれの素材に対して決められた機械の順序にしたがって加工する場合を考える。いま3種類の素材T1,T2,T3を2台の機械M1,M2上で加工するとし,それぞれの素材の各機械における加工処理に要する所要時間が図1のように与えられているとする。また各素材T1,T2,T3はすべて機械M1,M2の順に加工処理が行われるとする。このような条件の下で素材をT1,T2,T3の順に加工する場合を考えると,機械M1,M2上のスケジュールは図2のように表すことができる。図2からわかるように,機械M1は時刻0から14まで休止することなく稼働するのに対して,機械M2は時刻20までのうちで素材T1,T2の機械M1上での加工処理が終了するまでの時刻0から4,そして6から7までは休止せねばならない。このようにそれぞれの機械の稼働状況を示すスケジュールを図2のように表したものを考案者ガントH.L.Ganttにちなんでガントチャートという。横軸が時間軸を表し,縦軸が機械,設備などの資源の稼働状況を表していることから,一般にはガントチャートは資源の時間的配分状況を図に表したものであるということができる。
ガントチャートを作成することによって,任意の時刻における機械などの資源の配分状況,そしてそれぞれの資源の配分の時間的変化をただちに読みとることができる。ガントチャートによる図的表現は,スケジューリング理論などの分野における分析の有用な手段としてたびたび用いられる。
執筆者:大山 達雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
科学的管理法の推進者ガントHenry L. Gantt(1861―1919)の考案した管理図。ガント図表ともいう。時間軸により計画と実績を対比して示すのが基本であり、計画表と統制表を兼ね、各種の問題に活用できるなど、用途は広い。例示した では、日単位に製品番号15の計画と実績が示されている。横棒は、数字で与えられた計画生産量に対する実績の比率を示している。1目盛りは20%であるから、月曜日は達成率80%、金曜日は120%となる。達成が計画以下の場合には、普通その原因を示す記号が示される。管理者はこの図をもとに進度管理を行う。現在では作成と利用にコンピュータが活用されている。
[森本三男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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