ガーター勲章(読み)がーたーくんしょう(英語表記)The Order of the Garter

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガーター勲章」の意味・わかりやすい解説

ガーター勲章
がーたーくんしょう
The Order of the Garter

イギリスの最高勲章各国元首と、イギリス国家にとくに功労のあった人物に贈られ、本人死亡後は返上するのが決まりである。制定年は明らかでないが、1348年ごろエドワード3世の制定ともいわれる。ガーターとは「靴下留め」のことであり、俗説によれば、王とダンスをしていたさる伯爵夫人がガーターを落とし、これを笑った者に、王がHoni soit qui mal y pense(悪を思うものは悪である)ととがめたことから、その騎士道精神をたたえて採用されたといわれ、ガーターにその語が金糸で縫い取ってある。正式の服装として、ガーター勲章は左膝(ひざ)下につけ、濃紺色のビロードのサーコートと頭巾(ずきん)を着用する。日本人では明治以後、4代の天皇に贈られている。

[梶 龍雄]

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