日本大百科全書(ニッポニカ) 「キュンメル」の意味・わかりやすい解説
キュンメル
きゅんめる
Kümmel ドイツ語
キュンメルはキャラウェーcaraway(ヒメウイキョウ)のドイツ語で、その香りをもつ無色のリキュールである。最初はロシアでつくられ、辛口であったが、フランスに渡って甘口になった。現在はおもにロシア、フランス、ドイツでつくられている。製法は、キャラウェーをスピリッツに浸漬(しんし)し、のち蒸留してエッセンスを集め、それに糖分を加えてつくる。キャラウェーのほかにコリアンダー、レモンなどのエッセンスを加えることもある。
キュンメルには次の三つのタイプがある。
(1)アラッシュキュンメル アラッシュとは帝政ロシア時代の貴族の荘園(しょうえん)の名である。ロシアンキュンメルともいう。アルコール分45%、糖分30%。
(2)ベルリンキュンメル ジャーマンキュンメルともよばれる。アルコール分40%、糖分10~20%。
(3)アイスキュンメル 別名クリスタルキュンメル。アルコール分が強く、砂糖が結晶となって瓶の内側に付着していることから、この名がある。アルコール分50~60%、糖分約20%。
[原 昌道]