キュンメル(その他表記)Kümmel[ドイツ]

精選版 日本国語大辞典 「キュンメル」の意味・読み・例文・類語

キュンメル

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Kümmel )
  2. 植物イノンドドイツ名。
  3. イノンドの実で香りをつけたリキュール
    1. [初出の実例]「あるはまたウヰスキイをトロムボオンに、キュムメル、ブランディを」(出典:邪宗門(1909)〈北原白秋〉古酒)

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改訂新版 世界大百科事典 「キュンメル」の意味・わかりやすい解説

キュンメル
Kümmel[ドイツ]

リキュールの一種。名称はヒメウイキョウキャラウェーcaraway)のドイツ語。キャラウェーの香りが強い無色の酒で,ほかにコリアンダーアニス,レモンなどの香味を精製アルコールに配合してある。初めバルト海岸のリガで造られ,オランダ,フランスおよび北ヨーロッパに普及した。香りの強さや,アルコール分,糖分の含有量によって次の三つのタイプがある。ベルリン・キュンメルベルリングダンスクロストクなどでの製品で,糖分10~20%,アルコール分40%。アラッシュ・キュンメルはリガで造られていたタイプで,現在ではベルギー製のものが著名であり,糖分30%,アルコール分45%。アイス・キュンメルはクリスタル・キュンメルともいい,砂糖の結晶が瓶の内側に付着しているのが特徴である。糖分30%以上,アルコール50%。ほかに,フランスにはコニャックを用いた黄金色のキュンメル・ドールがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キュンメル」の意味・わかりやすい解説

キュンメル
きゅんめる
Kümmel ドイツ語

キュンメルはキャラウェーcaraway(ヒメウイキョウ)のドイツ語で、その香りをもつ無色のリキュールである。最初はロシアでつくられ、辛口であったが、フランスに渡って甘口になった。現在はおもにロシア、フランス、ドイツでつくられている。製法は、キャラウェーをスピリッツ浸漬(しんし)し、のち蒸留してエッセンスを集め、それに糖分を加えてつくる。キャラウェーのほかにコリアンダー、レモンなどのエッセンスを加えることもある。

 キュンメルには次の三つのタイプがある。

(1)アラッシュキュンメル アラッシュとは帝政ロシア時代の貴族の荘園(しょうえん)の名である。ロシアンキュンメルともいう。アルコール分45%、糖分30%。

(2)ベルリンキュンメル ジャーマンキュンメルともよばれる。アルコール分40%、糖分10~20%。

(3)アイスキュンメル 別名クリスタルキュンメル。アルコール分が強く、砂糖が結晶となって瓶の内側に付着していることから、この名がある。アルコール分50~60%、糖分約20%。

[原 昌道]

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飲み物がわかる辞典 「キュンメル」の解説

キュンメル【Kümmel(ドイツ)】


キャラウェイ(セリ科の一・二年草。乾燥種子を香辛料とする)をスピリッツに浸漬して蒸留、加糖してつくるリキュール。オランダ、ドイツ、ロシア、ベルギーなどでつくられる。無色透明で、アルコール度数は40~60度。◇ドイツ語で「キャラウェイ」の意。

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367日誕生日大事典 「キュンメル」の解説

キュンメル

生年月日:1874年8月22日
ドイツの東洋美術研究家
1952年没

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栄養・生化学辞典 「キュンメル」の解説

キュンメル

 キャラウエイの香りのする無色のリキュール.

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