ギメ美術館(読み)ギメビジュツカン(その他表記)Musée Guimet

デジタル大辞泉 「ギメ美術館」の意味・読み・例文・類語

ギメ‐びじゅつかん〔‐ビジユツクワン〕【ギメ美術館】

《〈フランスMusée Guimet》フランス、パリにある国立の東洋美術館。実業家エミールギメ収集品をもとに設立された美術館を起源とし、1945年、ルーブル美術館東洋部の所蔵品を合わせ国立ギメ美術館となる。

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精選版 日本国語大辞典 「ギメ美術館」の意味・読み・例文・類語

ギメ‐びじゅつかん‥ビジュツクヮン【ギメ美術館】

  1. ( ギメはGuimet )[ 異表記 ] ギメーびじゅつかん フランスのパリにある国立の美術館。一八八八年開設リヨンの実業家ギメの収集品をもとに東洋全域の美術品を所蔵する。一九四五年、ルーブル美術館東洋部の所蔵品を合わせ国立ギメ美術館となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギメ美術館」の意味・わかりやすい解説

ギメ美術館
ぎめびじゅつかん
Musée Guimet

パリにあるフランス随一の東洋美術館。リヨンの実業家エミール・ギメÉmile Guimet(1836―1918)が世界一周調査で得た資料をもとに、1879年リヨン市に宗教史の美術館を設立したのに始まる。ギメは世界一周の途上、1876年(明治9)には日本にも立ち寄り、多くの宗教美術を収集した。のちにコレクションは国家に譲られ、これをもとに、図書館を備えた宗教史の研究・啓蒙(けいもう)機関として、1889年パリに現在の美術館が開設された。1945年に正式に国立ギメ美術館となると、ルーブル美術館に所蔵されていたすべての東洋美術品が移管され、一方、ギメからは東洋美術以外の作品がルーブルに移された。ペリオ調査団が敦煌(とんこう)から持ち帰った数千点の資料、インド彫刻『踊るシバ神』(11世紀)、グランディディエ寄贈の中国陶磁器、イタリア人宣教師で中国で活躍したカスティリオーネ郎世寧(ろうせいねい))による『哈薩克賁(カザツクフン)図巻』、新羅(しらぎ)時代の金冠、室町時代の高僧像をはじめ、アジア諸国のさまざまな時代の遺例が集められている。1991年には別棟に仏教パンテオン・ギャラリーが新設され、ギメが日本で収集したコレクションやルーブルから移された仏教美術がおもに展示されている。96年から始まった改修工事も2001年に終了し、より充実した美術館としてリニューアルオープンした。

[湊 典子・吉川節子]

『アルベール・ボヌール編・解説、佐藤雅彦監訳『東洋陶磁大観8 ギメ美術館』(1975・講談社)』『楢崎宗重編著・監修『秘蔵浮世絵大観6、7 ギメ美術館1、2』(1989、1990・講談社)』『平山郁夫編著、小林忠監修『秘蔵日本美術大観6 ギメ美術館』(1994・講談社)』『ジャック・ジエス編『西域美術1、2 ギメ美術館ペリオ・コレクション1、2』(1994、1995・講談社)』

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百科事典マイペディア 「ギメ美術館」の意味・わかりやすい解説

ギメ美術館【ギメびじゅつかん】

東洋美術を収集・展示しているフランスの国立美術館。1878年実業家のギメEmile Guimet〔1836-1918〕が自身のコレクションをもとにリヨンに開設。1885年国有となり,1888年パリの現在地に美術館が設立され,開館した。1945年ルーブル美術館の東洋関係の作品を移管して,国立美術館東洋美術部となった。
→関連項目パリフーシェ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギメ美術館」の意味・わかりやすい解説

ギメ美術館
ギメびじゅつかん
Musée Guimet, Paris

フランスにあるアジア美術館。エミール・ギメ (1838~1918) の収集品を基礎にして 1879年リヨンに設立され,88年パリに移転して宗教史美術館となり,1928年国立美術館に帰属した。 37年増設,45年ルーブル美術館アジア美術部として,それまでルーブルで保管されていたインド以東の美術品を移管した。インド,アフガニスタン,中央アジア,中国,日本,朝鮮,東南アジアなど多くの国の美術品を所蔵し,ほかに図書館,講演室,写真資料室,研究室,出版部などを備え,定期刊行物を発行している。 56年,東京国立博物館と収蔵品の交換を行い,日本美術部門を補充したが,体系的な収集,展示にはいたっていない。

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