日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギーズ家」の意味・わかりやすい解説
ギーズ家
ぎーずけ
Maison de Guise フランス語
16世紀に活躍したフランスの名門で、ロレーヌ公家の分家。1333年にギーズ伯の称号を獲得。1528年ギーズ公となる。初代はクロード・ド・ロレーヌClaude de Lorraine(1496―1550)で、国王フランソア1世(在位1515~47)の忠臣として活躍した。その子フランソア・ド・ロレーヌFrançois de Lorraine(あだ名は「向こう傷」)(1519―63)は、宗教戦争の勃発(ぼっぱつ)とともに旧教派の首領として行動し、オルレアン攻囲のおりポルトロ・ド・メレによって殺された。3代はアンリ・ド・ロレーヌHenri de Lorraine(1550―88)で、父と同じあだ名をもち、ラ・リーグ(旧教同盟)の指導者。彼は、国王アンリ3世によって暗殺された。4代以降はフランス国王に服属し、ギーズ家は1675年に血統が絶え、その後公領はコンデ家に移り、1832年にはオルレアン家に渡った。
[志垣嘉夫]