ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クナップ」の意味・わかりやすい解説
クナップ
Knapp, Georg Friedrich
[没]1926.2.20. ダルムシュタット
ドイツの経済学者。ミュンヘン,ベルリン,ゲッティンゲン大学で統計学,経済学を学び,1867年ライプチヒ市統計局長,69年ライプチヒ大学員外教授,74年シュトラスブルク大学教授。初め統計学,次いで農政史の研究に専念した。 G.シュモラー,L.ブレンターノらとともに新歴史学派の中心の一人であり,また社会政策学会の設立メンバーの一人でもある。クナップの名が今日よく知られているのは,彼がその著作『貨幣国定説』 Die staatliche Theorie des Geldes (1905) で展開した貨幣の概念によるところが大きい。彼は,貨幣は法秩序あるいは国家によって生成するのであり,素材としての貨幣価値から貨幣の本質を導き出すのは,大きな誤りであるとした。ほかに『旧プロイセンにおける農民解放と農業労働者の起源』 Die Bauernbefreiung und der Ursprung der Landarbeiter in den älteren Teilen Preussens (2巻,1887) など著書多数。
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