ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新歴史学派」の意味・わかりやすい解説
新歴史学派
しんれきしがくは
neue(junge) historische Schule; new(younger) historical school
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…歴史学派の特徴としてはさらに,普遍性を排する相対性の観点,社会生活の統一性の観点,倫理的動機を強調する反合理主義的観点,発展の観点,原子論的・機械論的社会観を否定する有機的社会観,などをあげることができよう。古典派経済学の自由貿易主義を批判し,重商主義的・保護主義的な主張をしたF.リストは歴史学派の先行者であり,歴史哲学要素の濃いW.ロッシャー,K.G.クニースなどは旧歴史学派,歴史的・記述的な細目研究を重視するG.シュモラーなどは新歴史学派とよばれる。そして《プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神》で有名なM.ウェーバーの理念型や価値自由性などの方法論的研究は,歴史学派の自己批判であったといえる。…
…事実,経済史的な叙述は,経済学と同様,イギリス重商主義の文献やアダム・スミスの《国富論》を起点とする。けれども,経済史学を経済学の理論や政策論から分化した独立の専門科目として確立させたのは,F.リストを始祖とするドイツ歴史学派経済学(とくにG.シュモラー以下の新歴史学派)であり,それは,経済史学がとりわけ後進国の歴史意識にたって,経済現象がもつ歴史性・国民性を強調しつつ成立したことを物語っている。〈二重革命〉(イギリス産業革命とフランス市民革命)に始まる19世紀ヨーロッパ世界のなかで,経済的にも社会的にも後進国であったドイツの現実を背景として台頭した歴史学派経済学は,イギリス古典派経済学の万民的(コスモポリタン)な性格を批判して,たとえば次のように主張した。…
…社会政策という言葉がどのような領域の政策を指しているかということに即していえば,さしあたり,労働組合立法など労使関係にかかわる政策を基軸とし,工場法をはじめとする労働者の労働条件にかかわる政策,さらには救貧立法から社会保障制度にいたる国民の生活保障にかかわる政策などを包含するものといってよい。
[社会政策の諸理論]
もともと社会政策という言葉は1872年ドイツで創立された社会政策学会に結集した新歴史学派(〈歴史学派〉の項参照)の経済学者,A.H.G.ワーグナー,G.シュモラー,L.ブレンターノなどによって喧伝(けんでん)されるようになったもので,そこでは,ドイツの急速な資本主義化にともなう階級対立の深刻化と社会主義運動の勃興による社会革命への危惧にもとづいて,階級利害を超越した国家が経済に介入し分配的正義を実現しなければならないと主張された。つまり,新歴史学派による社会政策の勧めは,現存の資本主義体制を容認しつつ,自由主義に反対し社会主義にも反対するという社会改良の主張にほかならなかった。…
…ドイツの経済学者。新歴史学派の重鎮。ビュルテンベルクに生まれチュービンゲン大学に学ぶ。…
…
[旧歴史学派]
歴史学派はドイツにおける資本主義発展のこのような局面に即応し,官立大学の経済学者によって学派としての成立をみる。W.G.F.ロッシャー,B.ヒルデブラント,K.G.A.クニースはその3巨人であり,彼らの歴史学派は後の新歴史学派に対して旧歴史学派と呼ぶこともある。まず口火を切ったのがロッシャーである。…
※「新歴史学派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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