クネンボ(読み)くねんぼ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クネンボ」の意味・わかりやすい解説

クネンボ
くねんぼ / 九年母
[学] Citrus nobilis Lour. var. kunep Tanaka

ミカン科(APG分類:ミカン科)の常緑小高木。温州(うんしゅう)ミカンに近縁で、果皮はむけやすい。マレー半島からインドシナ原産。日本には中国南部、沖縄経由で江戸時代以前に渡来したものと考えられる。沖縄ではクニブフニブ、鹿児島ではクネブ、クネツとよばれる。葉は小翼葉がある。果実は約180グラム、果面は粗く、果皮は厚く、テレビン油香があり、温州ミカンより酸味が強く、品質は劣る。1果に約10粒の多胚(たはい)性種子がある。かつてはコウジ、紀州ミカンとともによく栽培されたが、いまは少ない。アメリカのキングオレンジは近縁種である。

[飯塚宗夫 2020年10月16日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クネンボ」の意味・わかりやすい解説

クネンボ(九年母)
クネンボ
Citrus nobilis

ミカン科の常緑低木。インドシナ原産。高さ約 3m,ミカンとよく似た3小葉の葉を互生する。径 6cmほどの球形の果実をつける。果皮は果肉から離れにくく,表面凹凸がある。香りは高いが味は薄い。日本では暖地に栽培される。

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