インターネット上で不特定多数の人に募集をかけ、仕事をマッチングする仕組み。crowd(群衆)とsourcing(業務委託)の造語。仕事の発注・受注、連絡などを基本的にネットで行う。ウェブサイト制作やデザイン、記事執筆が多い。受注者は営業の手間が省け、都合の良い時間に作業できる。発注者は通常より安く、繁忙期など必要な時だけ業務委託できる。駆け出しのクリエーターが実績を積んだり、退職したシニア層が経験を生かしたりする場でもある。CSサイトは手数料で運営されている。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
不特定多数の人にインターネット経由で業務を委託すること。クラウド(crowd、群衆)とソーシング(sourcing、委託)をあわせた造語で、クラウドワーク、オンライン・フリーランシングともよばれる。業務を小分けして世界中の専門家や主婦、学生などのフリーランスに発注する仕組みである。委託業務はソフトウェア開発、ウェブ制作、動画作成、データ入力などのIT関連から、翻訳、執筆、デザイン、イラスト、法務、財務、コールセンター業務、飲食宅配まで広範である。報酬額に応じて5~20%を専門仲介業者がシステム利用料の名目で徴収する。クラウドソーシングは、業務を外部発注することで人材や設備などのコストを削減でき、経営資源を主力業務に集中できる利点がある。委託者(企業)と受託者(働き手)をサイトでマッチングし、発注、働き手の募集・選定、納入、報酬決済までをネット上で済ますので、企業は世界中の安価な労働力を活用できる。働き手にとっても在宅で仕事をできる利点がある。アメリカで2000年代初頭に始まり、世界に広がった。日本でもクラウドソーシングの仲介業者が30社以上生まれ、2014年(平成26)には業界団体クラウドソーシング協会(東京都渋谷区)が発足した。厚生労働省の推計では国内で約170万人が従事しており、このうち本業は約130万人、副業が約40万人いる。
クラウドソーシングは不特定多数に発注するので、仕事がずさんとなる問題もあり、2016年にはネット関連企業のディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する医療情報サイトで法令違反の不正確な記述が発覚し、サイト閉鎖に追い込まれたトラブルも生じている。またクラウドソーシングで働く人々は、現行の労働法制では事業主として扱われ、労働法制の保護対象外である。クラウドソーシングの働き手を契約、時間、対価など労働法制面でいかに保護するかも課題である。クラウドソーシングはアウトソーシングの一種であると同時にシェアリング・エコノミーの一つの形態とみることもできる。なおクラウドコンピューティングのクラウド(cloud、雲)とは意味が異なる。
[矢野 武 2019年10月18日]
(2013-6-21)
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