クラスノダール(読み)くらすのだーる(その他表記)Краснодар/Krasnodar

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クラスノダール」の意味・わかりやすい解説

クラスノダール
くらすのだーる
Краснодар/Krasnodar

ロシア連邦の南西部、アゾフ海黒海沿岸に位置するクラスノダール地方の行政中心地。人口64万3400(1999)。北カフカス地方を黒海へ向けて流れるクバン川の北岸に市街が広がる。ノボロシースクスタブロポリなどから鉄道、道路が集まる。1793年黒海コサックの移住地の屯営所として建設され、要塞(ようさい)となり、1860年から豊かなクバン地方の行政中心地となった。1920年までエカテリノダールЭкательнодар/Ekatel'nodarと称した。おもな工業は、機械(工作機械、通信電子測定器具、コンプレッサー農機具)、石油精製、化学、軽工業(綿紡績、毛織物、皮革)、食品加工、木材加工、薬品陶磁器。また、工学、医学、農業、体育などの高等・中等教育施設、三つの劇場、サーカス団、歴史郷土館が置かれている。直線状の広い街路ポプラトチノキの並木など美しい街区が多い。

渡辺一夫・上野俊彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラスノダール」の意味・わかりやすい解説

クラスノダール
Krasnodar

1920年までエカテリノダール Ekaterinodar。ロシア南西部,北カフカス,クラスノダール地方の行政中心地。大カフカス山脈北西麓にあり,クバン川にのぞむ。 1793年コサックの国境守備隊駐屯地となったことに始る町で,19世紀後半から農民商人の移住者も多くなり,豊かな農業地帯の中心地として発展。現在,農産物加工 (製粉油脂食肉,たばこ,皮革,綿織物) のほか,石油精製,機械 (工作,搾油) などの重工業や木材加工も盛ん。クバン大学 (1970) をはじめ医学,農業,教育,食品工業などの大学,農業,たばこ,缶詰,石油産業などの研究所,郷土博物館,劇場などがあり,ポプラやアカシアに縁どられた街路が美しい。鉄道,ハイウェーの分岐点で,空港もある。人口 74万4933(2010)。

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