クランマー(読み)くらんまー(英語表記)Thomas Cranmer

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クランマー」の意味・わかりやすい解説

クランマー
くらんまー
Thomas Cranmer
(1489―1556)

イギリス宗教改革者。イングランド教会初代のカンタベリー大司教。国王ヘンリー8世の離婚問題では王のために有利な発言をし、1533年大司教に就任、王とキャサリンとの結婚の無効、アン・ブリンとの結婚の合法性を宣言した。エドワード6世の治下では改革の推進に中心的役割を演じ、「一般祈祷(きとう)書」と「42か条」の制定に大きく貢献した。だがメアリー即位メアリー1世)とともに運命極まり、新しい信仰を守って最後には焚殺(ふんさつ)された。

[植村雅彦 2018年1月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クランマー」の意味・わかりやすい解説

クランマー
Cranmer, Thomas

[生]1489.7.2. アスラクトン
[没]1556.3.21. オックスフォード
イギリス国教会(アングリカン・チャーチ)改革者。ケンブリッジ大学に学び,そのフェロー(特別研究員)となる。国王ヘンリー8世の離婚にあたり諸大学からの意見聴取を建議して信任を得,1533年カンタベリー大主教となり,国王のアン・ブリンとの結婚の合法性を宣言。大陸の宗教改革者(→宗教改革)の影響を受け,みずからエドワード6世治下では『一般祈祷書』および『四十二個条』の作成など国教会の新教化をはかったが,メアリー1世のカトリック反動によって処刑された。

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