改訂新版 世界大百科事典 「エドワード6世」の意味・わかりやすい解説
エドワード[6世]
Edward Ⅵ
生没年:1537-53
イギリス国王。在位1547-53年。ヘンリー8世と第3番目の妃ジェーン・シーモアの子。J.チーク,R.アスカムら新教派古典学者の教育を受ける。即位はするが,幼弱のためジェーンの兄サマセット公が摂政をつとめた。この間1549年の祈禱書の制定,礼拝統一法の施行など,国教会の新教寄りの改革が促進される。しかし,一方では前代に続く教会財産の没収・売却のため土地問題が激化し,またスコットランド戦争,貨幣の悪鋳,インフレの高進などにより社会混乱も増幅した。49年西部にカトリック教徒の反乱,ノーフォークに大農民一揆(ケットの乱)が起こり,サマセット公は失脚,摂政はノーサンバーランド公に代わる。この時代為政者による土地収奪はきわまり,また貨幣改鋳のため輸出も激減する。53年ノーサンバーランドは息子の妻レディ・ジェーン・グレーが王家の血脈に連なることから彼女のため王位奪を計画するが,病弱なエドワードの死後,姉メアリーが王位を継いだ。
執筆者:越智 武臣
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報