ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メアリー1世」の意味・わかりやすい解説
メアリー1世
メアリーいっせい
Mary I
[没]1558.11.17. ロンドン
イギリス,チューダー朝のイングランド女王 (在位 1553~58) 。ヘンリー8世とその最初の妃カサリンとの子。異母弟エドワード6世治世のプロテスタント化の促進に際しては,旧教徒として抵抗し,迫害を受けた。 1553年エドワードの死後,J.グレーを擁立したノーサンバーランド (公) の陰謀を砕いて即位。 54年議会と世論の反対を押切ってスペイン皇太子フェリペ (のちのフェリペ2世) と結婚。同時に枢機卿 R.ポールを登用してイギリスをローマ教会に復帰させ,カトリック教徒聖職者の復職,修道院の再建をはかるなどカトリックの復活に努めたため,国内に T.ワイアットの率いる反乱が生じた。そこで異端処罰法を復活させ,高名な聖職者を含む 300人あまりを焚刑に処し,「血のメアリー」と呼ばれた。対外的には結婚によるスペインとの同盟によって対フランス戦争に巻込まれ,58年大陸における最後の領土カレーを失い,失意のうちに死亡した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報