日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
クリスチャン・サイエンス
くりすちゃんさいえんす
Christian Science
アメリカの神癒(しんゆ)主義者の団体。1866年エディ夫人Mary Baker Eddy(1821―1910)によって創始された。彼女は、自分の病気が信仰によっていやされた経験から、信仰療法の奥義を悟ったとし、医療を行いつつ伝道して、その教えを『科学と健康――付聖書の鍵(かぎ)』Science and Health with Key to the Scripturesという書物にまとめて75年に出版した。神は唯一の生命で、真理であり、善であり、真の実在であり、またそれに対し、罪、病気、死などいっさいの悪は幻影にすぎず、信仰によってこの真理を悟るとき、いっさいの悪は消滅する、とした。79年ボストンに母教会Mother Churchが建てられた。年とともに各地に支部教会が建てられ、86年には全国的な組織が誕生した。今日、世界中に支部教会があり、1908年以来機関紙として日刊新聞『クリスチャン・サイエンス・モニター』The Christian Science Monitorを発行し、活発な活動を行っている。
[曽根暁彦]