クローマー(読み)くろーまー(英語表記)Evelyn Baring, 1st Earl of Cromer

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クローマー」の意味・わかりやすい解説

クローマー
くろーまー
Evelyn Baring, 1st Earl of Cromer
(1841―1917)

イギリスの植民地行政官。ウーリッジの陸軍士官学校に学んだのち、ジャマイカインドでの勤務を経て、1876年イギリスの債権者代表としてエジプトに渡った。その後ふたたびインド勤務に戻ったが、1883年イギリスの支配権が確立したエジプトに総領事として赴任し、1907年に引退するまで、エジプトにおける事実上の最高統治者として君臨した。彼はまず財政再建を行い、ついで司法行政制度改革に着手して、イギリスの支配力の強化を図った。また綿花モノカルチュア(単一耕作)の方向へエジプト経済をつくりかえていった。引退後は上院議員となり、著述に打ち込んだ。

[木畑洋一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クローマー」の意味・わかりやすい解説

クローマー(伯)
クローマー[はく]
Cromer, Evelyn Baring, 1st Earl of

[生]1841.2.26. ノーフォーク,クロマーホール
[没]1917.1.29. ロンドン
イギリスの植民地行政官。初め砲兵士官であったが,1872年従兄にあたるインド総督ノースブルック卿の私設秘書としてインドにおもむく。 77年以降エジプトおよびインドの財政改革に関与して手腕を認められ,83年イギリスの軍事占領下のエジプト駐在総領事に任命された。以後 1907年まで,エジプトの事実上の支配者として国家財政の再建や鉄道,司法,教育の改革に尽力し,スーダンからの撤収と再征服も彼の主管のもとで行われた。 04年の英仏協商でフランスにイギリスのエジプト支配を承認させるまでの交渉でも,重要な役割を演じた。その功により,男爵 (1892) ,子爵 (99) ,伯爵 (1901) を授けられた。

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