ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クーチェク・ハーン」の意味・わかりやすい解説
クーチェク・ハーン
Kūchek Khān, Mīrzā
[没]1921. ギーラーン
第1次世界大戦直後成立したイランのギーラーン共和国の中心人物。立憲革命期にレシトの市民武装蜂起に参加し,1909年テヘラン攻略に向った。第1次世界大戦中,ドイツ,オスマン帝国から武器を供与され,対ロシアの遊撃戦をギーラーン地方で展開。レシト周辺の森林を拠点としたため,「ジャンガリー」 (森林パルチザン) と呼ばれた。ロシア革命後反英に転じ,イギリスの手先のイラン中央政府に対して地方革命政権を樹立。これにイラン共産党が統一戦線を呼びかけて結びついたが,民族派の彼と極左派との内部対立があり,またハイダル・ハーンの共産党との統一政権も成功しなかった。 21年 12月 15日,彼はイラン中央政府軍に追撃されてギーラーンの山中に少数のパルチザンとともに最期をとげた。イランでは民族運動の英雄に数えられている。
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