日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー
ぐっどいやーたいやあんどらばー
The Goodyear Tire & Rubber Co.
アメリカ最大のタイヤ・メーカー。主力事業はタイヤを中心にしたゴム製品、化学製品および一般工業用製品の開発・製造・流通・販売である。1898年、セイバーリングFrank A Seiberling(1859―1955)によってオハイオ州に設立された。加硫ゴムの発見者チャールズ・グッドイヤーの名を冠してはいたが、資本上の関連はまったくなかった。1910年にはグッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー・オブ・カナダを設立するほか、1916年にはスマトラ島でゴムの自家栽培を始め、対外進出にも熱心だった。1990年には世界のタイヤ市場で同社のシェアが20%を占めるまでとなったが、同年にフランスのミシュラン、アメリカのユニロイヤル、グッドリッチが統合されたことで、同社の販売占有率は世界第3位となった。しかし、1999年(平成11)2月、グッドイヤーは日本国内シェア第3位のタイヤ・メーカー住友ゴム工業(ブランド名「ダンロップ」)との事業提携を発表。両社は、株式の相互持ち合い、技術交流、資材の共同購入、タイヤ事業の統合(日米欧に合弁会社設立)を柱に連合を組むことに同意した。これによりグッドイヤーは、両社合計22%という世界最大の市場シェアを確保することとなった。グッドイヤーは、アメリカ国内で42の工場をもち、世界の185か国以上に営業拠点をもつ。ゴム農園の経営も行い、2150以上のタイヤ小売・サービス店、供給施設を世界各地に所有するグローバル企業である。1998年の売上高は126億2630万ドル。世界のタイヤ市場は寡占化傾向のなかでの吸収合併が激しく、同社も企業リストラクチャリング、工場の統廃合などによる国際競争力の強化を図っている。日本においては、1952年(昭和27)に100%出資の日本法人として日本グッドイヤーが設立されている。
[佐藤定幸・萩原伸次郎]
その後の動き
2009年の売上高は163億ドルであった。また、日本国内では1999年の業務提携に基づき、「グッドイヤー・ブランド」のタイヤを住友ゴム工業が生産し、日本グッドイヤー社が販売している。
[編集部]