グネツム科(読み)グネツムか(その他表記)Gnetaceae

精選版 日本国語大辞典 「グネツム科」の意味・読み・例文・類語

グネツム‐か‥クヮ【グネツム科】

  1. 〘 名詞 〙 ( グネツムは [ラテン語] Gnetum ) 裸子植物の科名。世界に一属約三〇種があり、熱帯に分布する。常緑低木で多くはつる性。葉は単葉で十字対生、托葉がない。雌雄異花で複合穂状花序をなし、十字対生の苞(ほう)があり、花序は各節ごとに多数の雄花と一列の雌花からなる。雄花には筒状の花被があり、中心から軸が伸び先端に花糸のない二個の葯(やく)がある。雌花には筒状の花被があって、一個の卵子を包む。特異な構造の花として有名。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

関連語 名詞

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グネツム科」の意味・わかりやすい解説

グネツム科
グネツムか
Gnetaceae

裸子植物の1科で,熱帯地方に1属 (グネツム属 Gnetum) 約 30種がある。マオウ科,ウェルウィッチア科などとともにグネツム目を形成し,いわゆる残存 (遺存) 植物の一群とされる。グネツム科の大半はつる性多年草で,小低木となる種もあり,マレーシアなど熱帯アジアとアフリカ,南アメリカ,太平洋諸島にも分布する。葉は常緑で革質。雌雄異株穂状花序をつくるが,花穂はさらに集って密集する花序となる。雌花,雄花ともに筒状の花被をもつ。種子では胚珠外壁が木質化し,これを包む形で花被が多肉化して,一見核果のように見える。グネツムG.gnemonではこの種子 (→偽果 ) を食用とすることがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android