ケント県(読み)ケント(その他表記)Kent

翻訳|Kent

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケント県」の意味・わかりやすい解説

ケント〔県〕
ケント
Kent

イギリスイングランド東端の県。県都メードストーングレーターロンドン南東に接する県で,北はテムズ川河口の三角江(エスチュアリー)と北海に臨む。ロンドンの拡大に伴い,1889年に今日のグリニッジルイシャムがロンドンの新行政区に取り込まれ,1965年にベクスリーブロムリーがグレーターロンドンの一部となった。また,1998年にはメドウェーが単一自治体(ユニタリー unitary authority)となって分離した。白亜からなるノースダウンズ丘陵が県中央部を東西に延び,その東端は有名な「白い崖」となってドーバー海峡に臨む。同海峡を隔ててヨーロッパ大陸に面するため,早くから大陸からの侵入者が集落を形成。ローマ時代にはカンタベリーが行政中心地とされ,同市から放射状に道路が建設された。5世紀初めジュート人とサクソン人(ザクセン人)が侵入,のちアングロ・サクソン七王国の一つとして知られるケント王国が成立,その領域がほぼ今日の県域にあたる。古くから農牧業が盛んで,オオムギコムギジャガイモなどのほか,北部やメドウェー川河谷で果樹,ホップなどが栽培され,近郊農業,牧畜(ウシ,ヒツジ)も盛ん。工業部門ではテムズ川沿岸に機械,化学,メドウェー川下流域にプラスチック煉瓦タイルセメントなどの工業が立地するほか,古くから製紙業が盛んで,ケント紙はこの地方で最初に製造された。三角江入口のグレーン島では石油精製が行なわれる。北東部にあるケント炭田は 20世紀に入って開発が始まり,採掘された石炭はおもに地元の発電用に使われる。1994年にユーロトンネルが開通し,フォークストンなど東部では倉庫業や運送業が重要になっている。面積 3543km2人口 136万9718(2005推計)。

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