コノマチョウ(読み)このまちょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コノマチョウ」の意味・わかりやすい解説

コノマチョウ
Melanitis

鱗翅目ジャノメチョウ科コノマチョウ属の昆虫総称。昼間はほとんど活動せず,日没前後にせわしく飛立つ性質がある。前翅端はやや後方に突出し,後翅は尾状の突起をもつ。東南アジアに広く分布する。日本では,南から北上し静岡県まで分布するクロコノマチョウ M.phedimaと,南西諸島ウスイロコノマチョウ M.ledaとが知られる。いずれも暗褐色で,前翅の中央と先端の間に2白紋を含んだ大きな黒紋がある。お互いによく似ており区別がむずかしいが,ウスイロコノマチョウの夏型では裏面の眼状紋が大型で発達しているなどの違いがある。クロコノマチョウは3化性で6~11月にみられ,幼虫の食草はススキジュズダマなど。ウスイロコノマチョウは多化性で一年中みられ,幼虫はサトウキビイネオヒシバなどを食べる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コノマチョウ」の意味・わかりやすい解説

コノマチョウ
このまちょう / 木間蝶

昆虫綱鱗翅(りんし)目ジャノメチョウ科のメラニティス属Melanitis名称。第二次世界大戦前に日本でコノマチョウとよんでいたものは、現在のウスイロコノマチョウのほかにクロコノマチョウの一部(秋型)を誤って含んでおり、これを明確にするためにコノマチョウの名はメラニティス属の基名として使用され、種名としては用いられなくなった。

白水 隆]

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