コマ収差(読み)コマシュウサ

デジタル大辞泉 「コマ収差」の意味・読み・例文・類語

コマ‐しゅうさ〔‐シウサ〕【コマ収差】

comatic aberration光軸上にない光点から出た光が、球面収差によって彗星状の不規則な像を結ぶ収差ザイデルの五収差の一。非対称収差。コマ

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百科事典マイペディア 「コマ収差」の意味・わかりやすい解説

コマ収差(光学)【コマしゅうさ】

レンズ収差の一つ。レンズの軸から離れた一点の像を,軸に直角平面に受けると60°の角度をもったすい星のような形(コマcomaとはすい星の髪の部分をいう)の像ができる現象。レンズの中心部と周縁部とで光の集まる位置が異なるため起こる。コマは軸上では起こらないが軸から離れるほど大きくなる。狭義球面収差とコマを補正した組合せレンズアプラナートという。
→関連項目シュミット望遠鏡

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カメラマン写真用語辞典 「コマ収差」の解説

コマ収差

 広い意味での 球面収差 のひとつで、レンズ中心から入る光とレンズ周辺から入る光のズレによって起きる。画面周辺で画質が低下したり、コマ・フレアという彗星のような形の像が現れることもある。コマ収差は絞り込むことによって見かけ上は改善されるが、本質的には非球面レンズの使用などにより補正する方法がベストである。コマ収差を見るには、夜景点光源を絞り開放で撮影し、周辺の光の流れ具合を見るといい。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コマ収差」の意味・わかりやすい解説

コマ収差
コマしゅうさ
coma

ザイデルの五収差の1種。光学結像系の光軸外にある1点から出た光線は1つの像点に集らず,光学系の中心部を通った光線束の結像点を頂点とした彗星状の像をつくる。これをコマ収差という。

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世界大百科事典(旧版)内のコマ収差の言及

【収差】より


[ザイデルの5収差]
 ドイツのザイデルLudwig Philipp von Seidel(1821‐96)は,単色光に対して,共軸球面系(各屈折面の曲率中心が一直線上に並んだ光学系)の光軸のまわりの対称性から収差を5種類に分類した。すなわち球面収差,コマ収差,像面湾曲,非点収差,および歪曲であり,これらをザイデルの5収差という(この五つを広義の球面収差と呼ぶ場合もある)。彼はスネルの法則を入射角xに関する三次までの近似式,sinxxx3/6で展開して,各収差の特徴を論じた。…

※「コマ収差」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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