ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コリアー」の意味・わかりやすい解説
コリアー
Collier, Arthur
[没]1732.9.
イギリスの哲学者。イギリスの哲学者でありながら,同時代の J.ロックを知らず,大陸の哲学者,デカルト,N.マルブランシュ,J.ノリスなどに私淑。精神から独立して外界が存在することを否定し,われわれの知覚する事象は,精神との関連においてのみ存在しうると考えた。ここから,外界が有限であると同時に無限であるという二律背反に対しては,神の被造物への関係と,神の被造物たる人間と認識対象との関係によって解決しようとしたが,これは同時代のバークリー的観念論に似通うものである。主著"Clavis universalis" (1713) ,"A Specimen of True Philosophy" (30) など。
コリアー
Collier, Peter Fenelon
[没]1909.4.21. ニューヨーク
アメリカの出版業者。 17歳でアメリカに移住し,1870年代の初期にニューヨークで書籍のセールスマンになった。予約者の分割支払方式という書籍販売の方法を考案し,やがてシェークスピアなどの古典文学書を予約分割支払方式で出版販売する出版社を創立し,低所得層の購買力を開拓して成功をおさめた。 88年に文芸評論誌"Once a Week"を創刊したが,これがのちの『コリアーズ・ウィークリー』 Collier's Weeklyの前身である。
コリアー
Collier, Jeremy
[没]1726.4.26. ロンドン
イギリスの牧師。ケンブリッジ大学に学ぶ。王政復古期喜劇の不道徳性を攻撃したパンフレット『イギリス演劇の不道徳性と涜神に関する管見』A Short View of the Immorality and Profaneness of the English Stage (1698) によって最も有名。これは劇作家側の反撃を誘い,長期にわたる論争の種となった。ほかに神学の著作多数。
コリアー
Collier, John Payne
[没]1883.9.17. メードンヘッド
イギリスの批評家,古文書研究家。エリザベス朝に興味をもち,戯曲の校訂や『イギリス劇詩史』 The History of English Dramatic Poetry (3巻,1831) の著作などで学界に貢献したが,シェークスピア関係の資料を偽造するなど信用できない面も少くない。
コリアー
Collier, Constance
[没]1955.4.25. ニューヨーク
イギリスの女優。本名 Laura Constance Hardie。当り役は『オリバー・トゥイスト』のナンシー,O.ワイルドの『理想の夫』のシェバリー夫人など。著書に,回想記『道化芝居』 Harlequinade (1929) がある。
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