ウィンザー(読み)うぃんざー(英語表記)Windsor

翻訳|Windsor

デジタル大辞泉 「ウィンザー」の意味・読み・例文・類語

ウィンザー(Windsor)

英国ロンドンの西郊、テムズ川南岸にある都市。11世紀に創建された英国王室の離宮ウィンザー城がある。
カナダ、オンタリオ州南西部の都市。米国のデトロイトデトロイト川を挟んで相対し、同国有数の自動車産業の中心地となった。ウィンザー大学が所在。カナディアンウイスキーの産地として有名。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ウィンザー」の意味・読み・例文・類語

ウィンザー

  1. ( Windsor ) ロンドンの西方、テムズ川右岸の都市。ウィリアム一世以来の歴代の王宮、ウィンザー城がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィンザー」の意味・わかりやすい解説

ウィンザー(イギリス)
うぃんざー
Windsor

イギリス、イングランド南部、ユニタリー・オーソリティー(一層制地方自治体)のウィンザー・アンド・メイデンヘッドにある都市。ロンドンの西郊約40キロメートルに位置し、テムズ川に臨む。人口2万9900(2002推計)。イギリス国王の離宮として知られるウィンザー城を中心に発達した観光と商業の町。征服王ウィリアム1世(在位1066~87)の時代につくられた城はテムズ川の南岸に位置する。16世紀にはペストの流行を避けたエリザベス1世がこの城に滞在した。またビクトリア女王夫妻をはじめ多くの歴代イギリス国王の墓地があり、ヘンリー8世やチャールズ1世の墓があるセント・ジョージズ教会は史跡の一つである。また対岸の町イートンには有名なパブリック・スクールのイートン・カレッジがある。

[久保田武]


ウィンザー(カナダ)
うぃんざー
Windsor

カナダ南東部、オンタリオ州南端の工業都市。人口20万8402、大都市圏人口30万7877(2001)。デトロイト川対岸のアメリカ合衆国ミシガン州デトロイトとは橋やトンネルで結ばれ、そのベッドタウンとしての性格もある。またデトロイトの大気汚染の影響も著しく、国際問題にもなっている。1834年にイースト・ウィンザー、サンドウィッチ、ウォロービルの3市を合併し、市域を拡大した。カナダ有数の自動車工業都市であるが、大製粉工場もある。なおカナダには、ほかにニューファンドランド州南東部とノバ・スコシア州中西部に、それぞれ同名の都市がある。

[山下脩二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィンザー」の意味・わかりやすい解説

ウィンザー
Windsor

カナダ,オンタリオ州南東部の都市。アメリカ合衆国の大都市デトロイトに隣接。デトロイト川の東岸にある。1月の平均気温-4℃,7月の平均気温 22℃で,カナダとしては温暖。年降水量 800mm。第四紀の氷河堆積物におおわれてゆるやかな起伏をみせるオンタリオ半島の先端部に位置する。白人が居住する以前にインディアン集落があった。 1701年デトロイトにフランス人の砦が築かれ,デトロイト川両岸に村落がつくられた。砦は 96年アメリカのものとなり,以後デトロイト対岸の渡し場,鉄道のターミナルとして発展し,1858年ウォーカービルと名づけられ,92年人口1万の都市となった。ウィンザーと名づけられたのは 1935年。セントローレンス水路でもあるデトロイト川に面し,カナダ国有鉄道,カナディアンパシフィック,ニューヨークセントラルなど5つの鉄道が集る交通の要衝。カナダの豊かな農業地域から輸送される各種農産物の加工工場も立地。対岸のデトロイトへは鉄道トンネル,国道トンネルと橋が通じる。合衆国の自動車工業の中心であるデトロイトの一翼をにない,自動車およびその部品工場が集中。製薬,機械などの工業も発達。港は合衆国からの重要な輸入港。住民はオンタリオ州南部では珍しくフランス系が多く人口の約 20%を占め,イギリス系の約 50%に次いでいる。ウィンザー大学 (1957) がある。人口 21万891(2011)。

ウィンザー
Windsor

イギリスイングランド南部,ウィンザー・メードンヘッド中部の都市。ロンドンの西約 40km,テムズ川南岸にあり,川を挟んでイートンと相対する。北東部にイギリス王室の居城の一つであるウィンザー城がある。1070年ウィリアム1世により最初の王城が建設されて以来,城を中心に発展した古い町であるが,下流のテムズ川沿岸にアングロ・サクソン時代に王の荘園であったオールドウィンザーがあることから,これと区別するためにニューウィンザーとも呼ばれる。おもに住宅地で,住民の多くはロンドンや工業団地のある近くのスラウへ通勤するが,市内にも軽機械,光学機器,印刷などの工業がある。またウィンザー城を訪れる人が多く,観光業が重要な産業となっている。人口 3万568(2001,イートン含む)。

ウィンザー
Windsor

アメリカ合衆国,コネティカット州北部の町。 1633年に商業取引所がつくられ,数年後にマサチューセッツ州から清教徒らが住みついた。当時の住宅のいくつかが保存されている。農産物の集散地で,軽工業も行われている。人口2万 7817 (1990) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「ウィンザー」の意味・わかりやすい解説

ウィンザー
Windsor

カナダのオンタリオ州にある同国最南端の都市。大都市域人口33万2334(2005)。デトロイト川を挟んで対する合衆国のデトロイトとは,橋,河底トンネルで結ばれ,デトロイトへの通勤者も多い。デトロイトの強い影響をうけ,カナダ有数の自動車産業都市として発展した。18世紀初頭にフランス系カナダ人が定住し,第2次英米戦争の際には主戦場となった。ウィンザー大学がある。
執筆者:


ウィンザー
Frederick Albert Winsor
生没年:1763-1830

オーストリア出身のガス技術者,工業家都市ガス事業の創始者。1803年にロンドンに渡り,ガス灯の普及を志し,10年に世界初のガス供給会社ウェストミンスター・ガスライト・アンド・コーク会社を設立した。一つの製造元から各需要先にガスを配給する同社のシステムは,その後ヨーロッパやアメリカの各都市につくられた都市ガス事業の草分けとなった。パリで没した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ウィンザー」の意味・わかりやすい解説

ウィンザー(イギリス)【ウィンザー】

英国,ロンドン西方,テムズ河岸の都市。ニューウィンザーとも。ウィリアム1世(征服王)以来の英王室の居住地。ウィンザー城,代々の王室墓地がある。現在はロンドンの通勤圏に入り,観光客も多い。近くにイートン校がある。約3万人(2001)。
→関連項目シンプソン夫人

ウィンザー[家]【ウィンザー】

現在の英国王室の名称。ハノーバー朝は1901年よりサックス・コーバーグ・ゴータSaxe-Coburg-Gotha家と称していたが,第1次大戦中このドイツ系の名称をきらい,1917年ジョージ5世時代に正式にウィンザー家と改称した。
→関連項目ジョージ[5世]

ウィンザー(カナダ)【ウィンザー】

カナダ,オンタリオ州南部の工業・住宅都市。デトロイト川を隔てて米国のデトロイトと相対する。機械,化学工業が行われる。デトロイトへ通勤する市民も多い。21万891人(2011)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android