管見(読み)カンケン

デジタル大辞泉 「管見」の意味・読み・例文・類語

かん‐けん〔クワン‐〕【管見】

《細いくだを通して見る意》
狭い見識視野の狭い考え方。「管見にとらわれる」
自分知識見解意見をへりくだっていう語。
[類語]浅見寡聞意見見解主張所説所論持説持論私見私意私考所思所見考え見方オピニオン尊敬貴意高見謙譲愚見卑見私見近視眼的一面的一方的偏狭短見場当たり盲目的微視的ミクロ

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精選版 日本国語大辞典 「管見」の意味・読み・例文・類語

かん‐けんクヮン‥【管見】

  1. 〘 名詞 〙 ( 竹のくだを通して見るの意から )
  2. 見識が狭いこと。あることについての視野が狭いこと。管闚(かんき)
    1. [初出の実例]「管見之所及、録粗載状」(出典:宮寺縁事抄告文部類‐建久七年(1196)五月一八日・藤原光雅願文)
    2. 「公(おほやけ)の事につけて管見(クヮンケン)議論をなし」(出典:読本・英草紙(1749)一)
  3. 自分の知識や見解、意見などをへりくだっていう語。
    1. [初出の実例]「敢当高問。深以悚息。雷音難忍。敢陳管見」(出典:性霊集‐一〇(1079)叡山澄和上啓返報書一首)
    2. 「我が管見をしめして重て注するぞ」(出典:史記抄(1477)三)
    3. [その他の文献]〔何承天文‐重答顔永嘉書〕

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故事成語を知る辞典 「管見」の解説

管見

ものの見方や考え方がとても狭いことのたとえ。転じて、自分の見識を謙遜していうことば。

[使用例] この事項はもとより管見に過ぎない、深く主張するわけではない[三上義夫*文化史上より見たる日本の数学|1922]

[由来] 「荘子秋水」に出て来るエピソードから。こじつけめいた論理をもてあそぶことで有名なこうそんりゅうという学者を批判して、「そんな議論は、ただ『管をって天をうかがい(管から天を覗き)』、錐で大地を指すようなもので、なんとも見識が小さいではないか」と批判しています。これが、後に「管見」の形で使われるようになりました。

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普及版 字通 「管見」の読み・字形・画数・意味

【管見】かん(くわん)けん

せまい見識。私見。〔晋書、陸雲伝〕臣、位に大臣に備はる。は可を獻ずるに在り。(いやし)くも管見らば、敢て規を盡さざらんや。

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