ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コンツェビッチ」の意味・わかりやすい解説
コンツェビッチ
Kontsevich, Maxim
ロシアの数学者。代数幾何学および代数的位相幾何学(→トポロジー)の業績を認められ,1998年フィールズ賞を受賞。1980~85年モスクワ大学で数学を学び,1992年ドイツのボン大学で博士号を取得。ボン大学,アメリカ合衆国のハーバード大学,プリンストン大学,カリフォルニア大学バークリー校およびラトガーズ大学,フランスのビュール・シュー・イベットのフランス高等科学研究所に勤務。最初の業績は,同じくフィールズ賞受賞者エドワード・ウィッテンの代数曲線のモジュライ空間に関する予想を証明したことである(→代数多様体)。コンツェビッチはこの考え方を拡張し,結び糸と三次元多様体について多数の新しい不変量をつくり出した。また,カラビ=ヤウ三次元多様体上の有理曲線の数についての定理を証明,これは数理物理学と古典的な代数幾何学からの方法論を統合する理論であるミラー対称性の発展の決め手となった。
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